藤浦洸(ふじうらこう)
- 谷中でテリヤを飼っていた詩人 -
長崎県生まれ。
大学時代は音楽家の弟子としてオペラ館のピアノ奏で、卒業後は詩人としてスタートする。その後流行歌の作詞に転向、淡谷のり子の【別れのブルース】で一躍有名になり、以後作詞家として活躍する。

詩人の藤浦洸は、物を見る眼が贅沢でした。高級犬のテリヤを飼っていたり、八ミリカメラを持っていたり、ピカピカのイタリア製の靴を履いたりしていたのですから。彼も貧乏文士の一人だったのですが……。
さて藤浦にはもう一つ、実に派手な貧乏ゆすりをする癖がありました。ところがこれが空気感染する伝染病だったからたまりません。他の文士までつられて貧乏ゆすりを始めたので、馬込は一時『恐慌状態』になりました。
参考文献 榊山潤【馬込文士村】

