山本周五郎(やまもとしゅうごろう)
- 万福寺あたりを散歩した小説家 -
山梨県生まれ。編集記者時代の【須磨寺附近】が出世作。少年少女向けの読み物から、娯楽小説にも手を広げ、【樅の木は残った】【赤ひげ診療譚】【青べか物語】など多くの作品を残す。また直木賞・毎日出版文化賞・文藝春秋読者賞などいずれも辞退している。

馬込文士たちからは『曲軒(きょくけん)』とあだ名され、とかく天の邪鬼にみられがちの山本周五郎でしたが、几帳面で義理堅い人でもありました。そんな周五郎の朝は、まずベーコンエッグつき朝食で始まります。食事の後はいつもの散歩。いつものコースをまわって谷中、池上通りと抜け、『古本屋めぐり』をしながら家に戻ってくるのでした。-不思議に古本はよく買ったが借金はしなかった-ところにも周五郎の生真面目な一面をみることができます。
参考文献 木村久邇典【山本周五郎-馬込時代】
新潮日本文学アルバム【山本周五郎】

