馬込文士村解説板 山本有三

馬込時代は議員をつとめた 山本有三(1887~1974) 小説家・劇作家

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 お力ぞえにより、さいわいに当選いたしました。
深く感謝いたします。ご信頼にこたえ、できるだけ努力する覚悟でございます。今後ともご支援くださいますよう、かさねてお願い申し上げます。
昭和二十二年四月二十五日
      東京都大田区新井宿三丁目一、三六一
                  山本 有三
(参議院議員当選の礼状より)

山本有三は三鷹の家を進駐軍に接収されたため、昭和二十一年の暮れにこの家(解説板の辺り)に越してきました。翌年四月参議院議員となり、任期の六年間に、国立国語研究所設置法・国民の祝日に関する法律・年齢のとなえ方にかんする法律・文化財保護法等の成立に力を尽くし、また二十四年には小説『無事の人』を発表しました。この家から湯河原へ転居したのは任期流量後二十八年十二月のことです。
劇作家として出発した有三は、耳で聞いてわかる言葉を心がけ、表記の方法も口語体の漢字まじり文(「難しい漢字を使わず、振り仮名がなくても誰でもが読める文章」)を提唱し、自ら実践していました。また青少年の育成にも力をそそぎ、『日本小国民文庫』や子ども雑誌『銀河』ほか小中学校の国語教科書の編集にもたずさわりました。戦後更に『国民の国語運動連盟』を結成し、当用漢字・現代かなづかいの普及や口語体の日本国憲法作成のきっかけをつくるなど、幅広い活動をした真の文化人でした。

主な作品
戯曲【生命の冠】【板崎出羽守】【海彦山彦】【米百俵】
長編小説【波】【女の一生】【真実一路】【路傍の石】
短編小説【こぶ】【戦争と二人の婦人】など

参考文献 新潮日本文学アルバム【山本有三】

 

 

 

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